頑張ったバニラ！2匹の子ヤギを出産！（動画有り）

バニラに出産の兆候が見られたのは、4月28日(木)の夜でした。
午後10時30分頃、教員が帰りにバニラ小屋の前を通って、いつもと同じように｢バニラおやすみ。｣と声をかけたところ、教員の顔を見たバニラが｢メェ～、メェ～･･･｣と、苦しそうに、小刻みに唸るような声を出し始めたのです。
明らかに普段と違った様子だったので、教員数名が学校に泊まり、バニラを見守ることにしましたが大きな動きはありませんでした。

日が昇り、登校してきた中高等部の生徒達が、座り込んだバニラの様子を心配そうに見ています。
しかし、この日もそれ以上の動きはなく、念のために教員が泊まり込みましたが、二日目の夜も変化がなくそのまま朝を迎えました。

三日目、座り込む時間が長くなり出産が近づいている様子が見られました。夜になり、バニラは息が荒く呻き続けています。
目を閉じ、長く続くお腹の痛みに耐えているのでしょう。
見ている方も辛くなります。
お腹は、まるでぼた餅のように横に大きく広がって、手の平で触ると中の子ヤギが動くのを感じることができました。

午後10時近く、とうとうバニラが尻尾を高く上げて破水しました。いよいよ数時間後には出産が始まります。

小屋の中にカメラを設置し、職員室からもバニラの出産の動向がわかるようにしました。

夜遅くにもかかわらず、多くの人が集まり、固唾を呑んで見守ります。

先代のミルクの出産から１０年以上が経過し、多くの教員にとっては、初めての経験です。
ビデオにとって記録をしたり、毛布やお湯を用意したりと、バニラの助けになろうと自分達にできることを考え、協力し合いました。

深夜、バニラの出産が思うように始まらないことから、獣医師の方に来ていただきました。駆けつけてくださったのは４人。狭い小屋の中に緊張が走ります。座り込んだバニラの目は、涙を浮かべ救いを求めているように感じられました。

そして、バニラが一段と大きな呻き声を上げました。
4月30日(土)午後11時56分、バニラが赤ちゃんヤギを無事に出産しました。
無事にと言っても、胎内での姿勢が難しい形だったため、時間がかかり難産でした。
獣医師の方が子ヤギの前脚を引っ張ってくれたおかげで、姿勢が正され出てくることができました。
出てきた子ヤギの小さな目がゆっくりと開くのを見たときは、皆ほっと安心しました。

1匹目を生んでほどなく、バニラに2匹目を生むための陣痛が来ました。
2匹目は、1匹目と比べてスムーズに出てくることができ、5月1日(日)午前12時13分に無事出産となりました。
長かった妊娠生活、苦しかった出産をバニラは見事に乗り切りました。
本当によく頑張りました。

バニラは、疲れきった体にもかかわらず、生まれたばかりの2匹の我が子のことを気にして、代わる代わる舌で舐めてあげていました。
早くもバニラの目は、穏やかに子ヤギを見守る、優しく頼もしい親ヤギの眼差しに変わっていました。
その後は、教員が子ヤギ達の体をよく拭いて温め、小屋の中を綺麗に掃除し、親子の温かい寝床を作りました。
全ての作業が終わると、午前2時になっていました。

現在は、子ヤギがバニラのお乳を落ち着いて飲める環境にするために、小屋の周りを白い幕で囲っています。
中の様子は、見づらいですが、ゴールデンウィーク明けまではあまり近づかず、静かに優しく見守ってくださいますようお願いします。

動画はこちら↓