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4年生体験学習

4年生 社会科「寄せ木細工について学ぶ」

寄木細工は、約200年前に箱根町畑宿で「石川仁兵衛」さんによって始められたと言われています。創始者と言われる「石川仁兵衛」さんの血筋を引き、7代目として畑宿で「浜松屋」という寄木細工のお店を開いている石川一郎さんにお越しいただき、お話を聞かせていただきました。

石川仁兵衛さんの子孫と聞いた途端、子どもたちの目の輝きが変わりました。さらに、石川さんは子どもたちが3年生の時から社会科の副読本として使っている資料「さがみはら」にも、神奈川県の伝統工芸品の職人さんとして紹介されています。そのことに気づいた子どもたちは、まるで有名人に会ったかのような喜びよう。「すごい人に教えてもらえるんだね。」とより目が輝いてきました。

 寄木細工の模様は自然の木の色を活用し、上手に組み合わせて作られています。石川さんがまるで手品のように木を組み合わせて、様々な模様を作って見せてくれるたびに「わー、すごい」「芸術だね」との歓声が上がりました。創始者の石川仁兵衛さんが考案したという方法「貼りの寄木」。模様を作った木をカンナで削って、木の型に貼り付けて仕上げます。カンナで削った模様は0.15mmの薄さ。実際に目の前で削るところも見せていただきました。特別に全員に一枚ずつ用意していただき、栞として使えるように作り方も教えてくださり、次の日には、栞にして持ってきている子もいました。また、伝統の方法だけではなく、新しい寄木にも挑戦しているとのこと。下絵に合わせて木を糸のこで精巧にくりぬき、パズルのようにはめ込んで作る木象嵌も見せていただきました。富士山やふくろうなど、遠くから見ると絵画にしか見えないものが寄木で作られていることを知り、その技術のすばらしさに感心しきりでした。伝統の模様はもちろんのこと、その中で新しい模様を作ることができた時が楽しい時でもあるが、100%納得いく作品はなかなか作ることができず、あきらめずに取り組むことが大切であるとの思いも聞かせていただきました。
 その後、実際に自分たちでも模様作りを体験するため、コースター作りに挑戦しました。

お花のような模様を作る子、伝統の模様を作る子と様々。「どんな風に組み合わせてもいいよ。」と自分の感性を大切にして欲しいとの言葉をいただき、子どもたちは世界に一つだけ、自分だけのコースターを作りました。作りながら、「お母さんにプレゼントするんだ!」「木が余ったから、家族の分も作ろう!」などの声が聞かれました。自分が体験したことの楽しさ、すばらしさをきっとお家の方々にも伝えたかったのだと思います。
 箱根という土地柄、標高の差が激しく(箱根駅伝の5区の山登りを例に教えて下さいました)様々な種類の木が豊富にあることから、盛んになった寄木細工。伝統を守りつつ、その中に新しい風を吹き込みながら受け継がれている寄木細工の素晴らしさと、今現在もなお受け継がれている意味を実感することのできた時間となりました。