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4年生体験学習行事

4年生社会科見学「横浜港」

 10月にもかかわらず、11月下旬を思わせる寒さと雨の中でしたが、4年生が社会科見学で横浜港に出かけました。
 
 私たちの生活に必要な物(衣食住)は、多くが海外からの輸入品で支えられています。それらをより多く、安く効率よく運ぶために船が大活躍しています。横浜港は、アメリカやヨーロッパの国々との交流を日本で最初に始めた港です。このあたりの海はとても深く、大きな船でも入りやすく、港に適していたのだそうです。そんな横浜には外国からさまざまな文化が入ってきました。鉄道やガス灯などの生活を支える物、そしてあいすくりんやパンなどの食べ物など、様々な物が横浜を通じて日本に伝わってきました。外国の文化は、日本の人々に大きな影響を与えました。

 
 
 そんな私たちの暮らしを支えている港についてお話を聞かせていただきました。子どもたちにとって港のイメージは、魚。1学期に見学した三浦の漁港のイメージが大きく残っています。ですが、横浜港は、漁港としての一面よりも世界中から荷物の積み降ろしをする「埠頭」がメインとなっており、いわば人と物の玄関口なのです。私たちの生活に必要な物が世界中から毎日横浜港に届けられます。その多くは、コンテナという大きな鉄の箱によって運ばれてきます。大きな物では12mもの長さがあるコンテナ。港が近づいてくるにしたがって、大きなコンテナがたくさん積み上げられていました。

 

 たくさんの荷物をスムーズに運ぶことができるコンテナは、世界中で1年間に8億個も取り扱われていることを知り、子どもたちもびっくり。コンテナを運ぶ船、自動車を運ぶ船、鉄鉱石や石炭を運ぶ船などそれぞれ専用の船が、専用の埠頭を行き来しています。コンテナの取り扱い個数はこの10年で1.4倍に増えており、それに合わせて船の大きさも大きくなっています。現在、最新鋭のコンテナ船が入る港として新しい大きな港を建設中とのことでした。お天気が良ければ、シンボルタワーに登り、その工事の様子を見ることができたのですが、雨のため見ることができず、子どもたちからは「見たい!」と残念がる声が聞かれました。本来なら展望台から、多くの船が行き交う様子や新しい港の工事の様子を見ることができます。

 

 お話を聞いた後、周りの景色をバスの中からよく見てみると、周りにはたくさんのコンテナが置かれていることに気づきました。また、そのコンテナを運んでいるトレーラーともたくさんすれ違いました。「先生、あのコンテナ、春雨って書いてある!春雨積んでいるのかな?」「コンテナにもいろんな国の言葉が書いてあるね」など、国内外からたくさんの荷物がコンテナを使って届いている様子を見ることができ、改めて横浜港の役割について知ることができました。

 大さん橋ふ頭は、明治27(1894)年に鉄桟橋と言われ、一本の橋として完成しました。2002年に現在の形となり、今年で20年を迎えるのだそうです。日本の玄関口として国内外の多くの客船を迎え入れ、横浜の発展にも大きく貢献してきました。今現在は、母港としている飛鳥Ⅱをはじめ世界各国のクルーズ船も寄港する、国内有数の客船ターミナルとなっています。外国との玄関口としておよそ1万隻の船が入港し、160以上の国や地域から多くの外国人旅行客を迎え入れています。

多くの外国人旅行客を迎えるだけあり、ターミナルの中にはCIQと行って、外国に出るために検査をする場所がありました。荷物がベルトコンベアーで運ばれてくるところや、金属探知機があり、そこはまるで空港のよう。子どもたちも金属探知機を通らせてもらいましたが、制服のボタンに反応して、みんなピンポンと音が鳴りました。何とかならないようにと、制服を裏返しにし、ボタンが見えないようにしたり、早歩きで通ってみたりと様々な工夫を凝らしていましたが、それでも音が鳴り、がっかりする様子が見られました。それだけしっかりとした検査が行われているということがわかりました。

 2019年には、クルーズ船が2866回寄港し、約215万人の外国人が日本を訪れました。その後の新型コロナウィルスの影響により、減少しているそうですが、少しでも外国から来る客船を増やす活動をしているそうです。早くコロナが終息し、また多くの外国の方が日本を訪れることができるようになることを願うばかりです。当日は、本当は江ノ島沖に到着予定だった日本丸が急遽大桟橋に寄港することとなり、その出航の様子を見ることができました。普段なかなか見ることのできない大きな船に「大きい~!」「いってらっしゃ~い!」と手を振る子どもたち。船員の方々も手を振って応えてくださいました。

 外国との玄関口として多くの人や物が行き来する横浜港は、古くから私たちの生活を支え、産業を支えている大切な場所であることに気づくことができました。