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学校生活授業紹介

“知る”ことの大切さ ~つなぐ手(いじめ防止の授業)~

 今週は、全校一斉につなぐ手の授業を利用して、いじめ防止と他者理解につなげる授業を組んでいます。
 今回は、「ちゃんとやりたくても、できない」「ものの感じ方は人それぞれである」ということがテーマです。授業は、NHKEテレの番組を柱に進められました。
名称未設定 2U&I」 番組には、グループでの話し合いで発言をすることができず、周りから意見を求められると耳をふさいで「ワーワー!」と声をあげ、教室から飛び出していってしまうユウくんと、そんなユウくんの様子に対して面倒くさいな、困ったなと感じているアイちゃんという2人の小学生が出てきます。
 話し合いの最中に、教室を出て行ってしまうユウくんの映像を見た後、子どもたちにどのように感じたのかを書いてもらいました。「先生、正直に書いて良いの?」と聞かれたので、「正直に書いてごらん。」と言うと、子どもたちからは「何で急に教室から出て行ったの?」「おかしい」「関わるのが面倒くさい」「変な人」「意味分からない」などの言葉が出てきました。子どもたちは、映像の中に出てくるアイちゃんと同じような気もちをもったようです。名称未設定 1
 その後、続きの映像を見ました。「ユウくんの心の声を聞く」という場面です。実は、このユウくんは、周りの子たちと音の聞こえ方が違い、例えば黒板にチョークで書く音が大きく響いて聞こえてきたり、友だちの声も反響するように聞こえたりしていました。大人数で話をしている時には、一層声が大きな音に聞こえ、その場にいられず、教室を出て行ってしまっていました。
 この場面を見た子どもたちは、「なんか、さっき悪口みたいの書いちゃった。」「言いすぎだったかも。」と話していました。中には、「そんなことがあるなんて、知らなかった。目とか足とかが不自由な人は、聞いたことがあるけれど。」と休み時間に話に来てくれた子もいました。このように、目に見えない「困っていること」がある人がいるということを、今回改めて知ることができました。
 今回の映像では、ユウくんも、アイちゃんも、どちらもお互いに困っています。クラスで話した時にも、「なんで教室を出ていっちゃったのかが分からない。」という意見が多く出ていました。本人も、周りも、どうしたら良いか困ってしまうこの状況を変えていくためには、お互いのことを「知る」ということが大切であるということが分かりました。そして、一人ずつ自分が「ちゃんとやろうと思っても、なかなかできないこと」を書いてみようというと、たくさんの意見が出ました。友だちの意見を聞き、「あー、私もそれある!」という子もたくさんいました。
それぞれの苦手なことを知り、お互いに応援することができること、そして苦手なことに対して自分で助けを求めることができることが、お互いのことを受け入れ、認め合えることに繋がるのだと思います。何も知らずに、自分の価値観で相手のことを「変な人」と決め付けてしまうことは、いじめにも繋がるのだということも、子どもたちに話をしました。「自分と違う」ということを受け入れていくことは、もちろん大人であっても簡単なことではありませんが、友だちや、周りの人のことを知り、より良い関わり方ができる子どもたちであって欲しいなと思います。