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6年生体験学習

6年生 社会科見学 〜縄文時代〜

6年生は、社会の授業で歴史を学習しています。学習の深まりを期待して、東京都埋蔵文化財センターに社会科見学に行ってきました。

 

学校の近くの町田市をはじめ、稲城市・多摩市・八王子市にまたがる3000haもの広大な丘陵内には、約1000箇所もの遺跡が点在しているそうです。東京都埋蔵文化財センターの展示ホールには、そこで発掘された縄文時代から江戸時代の出土品を展示しています。

展示ホールでは、実際に出土した土器も触ることができたり、実際にイノシシを採っていた穴と同じ大きさを再現したものにすっぽりと入ってみたりと、興味津々でした。気づいたことや不思議に思ったことをしおりにメモしたり、図を描いたりして見学しました。

展示ホールの中央には、企画展として開催されている「土の中のトーキョー」の展示がありました。日本最古だと考えられている鉄道のレールや、古いカルピスの瓶、現在の缶詰のような非常食など、当時の様子を窺い知ることができる貴重な展示品が並んでいました。予定していた見学時間では全部を見ることはできず、後ろ髪を引かれる思いで次の体験コーナーへ移動しました。

体験コーナーでは、火おこしの道具を使ったり、出土した土器を復元する様子のパズルを楽しんだり、土器の文様付け体験をしたりと時間たっぷり楽しみました。教科書や資料集で見た土器はきれいに組み立てられたものですが、実際の発掘現場では夥しい量の土器の破片から同じ土器のものを見つけ出し、組み立てないといけません。体験コーナーでは、その苦労の一端を体験することができました。

縄文時代では、植物の繊維で編んだ貫頭衣を着ていたと言われていますが、原料が植物だけに長い年月をかけて土に還ってしまいます。そのため当時の衣服はほとんど出土しておらず、はっきりしたことは分かっていません。体験コーナーでは、縄文時代の服装と見られるものを実際に着てみることができるブースがあります。子どもたちは復元された貫頭衣を着て写真撮影をしました。「チクチクする…。」と言いながらも、縄文ファッションショーを楽しみました。

展示ホールに隣接する遺跡庭園「縄文の村」は、縄文時代の集落跡を保存する形で縄文時代の景観を体験することができます。

庭園では、竪穴住居が置かれていたり、実際に縄文時代に生えていた草花が生えていたりと、縄文の村が再現されています。「こんなところで寝たら、背中が痛くなっちゃうよ、マットレスが欲しい〜。」「縄文時代にはそんなの無いよ!」「この広さで4人の家なの?結構な豪邸だねえ。」と言いながら、竪穴住居の中に入りました。案内してくださった係の方に、「これは、何でできているんですか?」とか、「土が盛ってあるところを崩すとどうなるんですか。」と積極的に質問する子もいました。竪穴住居の中で火を炊いてくださっていたところもあり、「こんな感じだったのかな〜。」と、焚き火をするような配置で座ってみた子もいました。

最後は学年全員で火起こし体験をしました。

人類がどのように火を扱ってきたかを、現代から遡る形で学芸員の方から説明をしていただきました。マッチが登場したのが江戸時代のイギリス、それより前は火打石を使ったり木と木を擦って火を起こしました。棒だけを使う手もみ式は、かなりの力と熟練の手捌きを要求されるため、今回子どもたちが挑戦したのは、まいきり式の火起こしです。

4〜5人で1つの班に分かれて挑戦しました。まいきりを操作する人、ひきり板を足でおさえたり、まいきりが斜めになってないか確認する人、まいきりの補助をする人と、それぞれが役割分担をして火起こしを行いました。

最初はまいきりを上手く扱えなかった子どもたちも、時間が経つにつれどんどん慣れてきました。友だちと協力してまいきりを操作したり、手を叩いてリズムを作ったり声をかけたり、どの班も上手に協力しながらどんどん火種を作っていきました。

「思ったよりも難しかった。」、「明日筋肉痛になりそう。」、「毎回火を使う時にこれをやらないといけないんだ…。」とさまざまな感想を持った子どもたち。でも協力して火起こしをする姿は見ていてとても微笑ましく、昔の火の起こし方を楽しみながら体験することができました。

全ての体験が終わって、お昼ご飯を食べました。

見学中は止んでいた雨も、お昼ご飯の時には降り出し始めました。子どもたちは、火起こし体験をしたピロティで、昼食をいただきました。

道具の進化には、使う側のもっと便利にしたいという思いが強く関係しています。その人々の思いが、現代のライターなどの着火器具を誕生させました。体験を通して、そうした昔の人々の思いに目を向けることができるようになると、歴史が進むにつれ起こる変化を考える際にも、その当時の人々の考えに想いを馳せることができるようになってくるはずです。今回の社会科見学での体験が、そうした視点をもつきっかけになってもらえればと思います。