エッセイ Vol.18 金子 修介
2026年9月1日
好きは「監督」、嫌いは「助監督」

“好きな言葉は「監督」、嫌いな言葉は「助監督」”と、若い時なら明確に答えられたな。あ、監督になるまでか、つまり28歳までか。
でも「宇能鴻一郎の濡れて打つ」で監督になった時は28歳でも、すぐに「メイン・テーマ」で助監督に戻り29歳になり、「OL百合族19歳」を監督して、「スケバン株式会社」で脚本と助監督をやったので「スケバン〜」が最後の助監督、だから29歳までということか、嫌いな言葉としては。
嫌だったんですよ、助監督、無能だったので。向いてなかった。
「助監督さん」と呼ばれると一瞬でウツになって「はい」と気のない返事。
逆に「監督ぅ」と呼ばれるのは快感らしく、一瞬でハイになり、「おぅ、なんだ」と振り返る(敢えて笑顔にならないよう努める)が、撮影所で何人も監督がいる場合、スタッフが「監督ぅ」と呼んだら全員「なんだ」と振り返る・・・という笑い話を何回聞いたことか。その場面にも何回遭遇したか。
逆に電車の中とかで助監督に「監督、〇〇ですが」とか大声でいや普通の声でも乗客に注目されるから焦って「名前で呼べ、名前で、こういうところではさ」と二、三回言ったかな。
「監督」が好きな言葉になったのは、16歳で高校のクラスで8ミリ映画を作って「ぼくも映画監督になれるかも」と思った時から・・・今に至る、でいいのかなぁ、今も好きってこと?いや、別に好きでも嫌いでもなくなったかな。
調布の日活撮影所では助監督の身分で監督を3本やったら「契約監督」になるシステムが永年続いていたのだけれど、ぼくが監督になった年からその制度はなくなり、「社員助監督として残るか、フリーになるか選べ」と迫られてフリーを選んだ時は30歳になったばかりで退職金3ケタに届かず、失業保険を貰いに三鷹職業安定所(今のハローワーク)に行くと、職員が「ほお、(管轄の)日活で合理化があったんですか、とにかく、希望の職種を書いてください」と言われたのでそこに「映画監督」と好きな言葉を書いたら「ご紹介出来るかわかりませんが」と笑顔を返された。運良く次の仕事がすぐに来たので、失業保険は2ヶ月だけ受けたが、本来は半年貰っても良いのだったと後でわかって残念。
NHKでは「おそろし」を監督したのに、「演出」というクレジットで「監督」は名乗れなかった。「演出」も好きでも嫌いでもない言葉だ。
10年以上やっているfacebookには職業:映画監督と出していたが、今年、気がつくと何故か「デジタルクリエーター」と勝手に変えられてたので、自分で「映画監督」に戻した。
なんだ、デジタルクリエーターって。映画監督は違うだろ。どちらかと言えばアナログクリエーターだろ。怪獣はデジタルもアナログもだし。
デジタルクリエーター、明確に嫌いな言葉だ。
でも「宇能鴻一郎の濡れて打つ」で監督になった時は28歳でも、すぐに「メイン・テーマ」で助監督に戻り29歳になり、「OL百合族19歳」を監督して、「スケバン株式会社」で脚本と助監督をやったので「スケバン〜」が最後の助監督、だから29歳までということか、嫌いな言葉としては。
嫌だったんですよ、助監督、無能だったので。向いてなかった。
「助監督さん」と呼ばれると一瞬でウツになって「はい」と気のない返事。
逆に「監督ぅ」と呼ばれるのは快感らしく、一瞬でハイになり、「おぅ、なんだ」と振り返る(敢えて笑顔にならないよう努める)が、撮影所で何人も監督がいる場合、スタッフが「監督ぅ」と呼んだら全員「なんだ」と振り返る・・・という笑い話を何回聞いたことか。その場面にも何回遭遇したか。
逆に電車の中とかで助監督に「監督、〇〇ですが」とか大声でいや普通の声でも乗客に注目されるから焦って「名前で呼べ、名前で、こういうところではさ」と二、三回言ったかな。
「監督」が好きな言葉になったのは、16歳で高校のクラスで8ミリ映画を作って「ぼくも映画監督になれるかも」と思った時から・・・今に至る、でいいのかなぁ、今も好きってこと?いや、別に好きでも嫌いでもなくなったかな。
調布の日活撮影所では助監督の身分で監督を3本やったら「契約監督」になるシステムが永年続いていたのだけれど、ぼくが監督になった年からその制度はなくなり、「社員助監督として残るか、フリーになるか選べ」と迫られてフリーを選んだ時は30歳になったばかりで退職金3ケタに届かず、失業保険を貰いに三鷹職業安定所(今のハローワーク)に行くと、職員が「ほお、(管轄の)日活で合理化があったんですか、とにかく、希望の職種を書いてください」と言われたのでそこに「映画監督」と好きな言葉を書いたら「ご紹介出来るかわかりませんが」と笑顔を返された。運良く次の仕事がすぐに来たので、失業保険は2ヶ月だけ受けたが、本来は半年貰っても良いのだったと後でわかって残念。
NHKでは「おそろし」を監督したのに、「演出」というクレジットで「監督」は名乗れなかった。「演出」も好きでも嫌いでもない言葉だ。
10年以上やっているfacebookには職業:映画監督と出していたが、今年、気がつくと何故か「デジタルクリエーター」と勝手に変えられてたので、自分で「映画監督」に戻した。
なんだ、デジタルクリエーターって。映画監督は違うだろ。どちらかと言えばアナログクリエーターだろ。怪獣はデジタルもアナログもだし。
デジタルクリエーター、明確に嫌いな言葉だ。

職 位:客員教授
学 歴:東京学芸大学教育学部 卒業
<監督作品>
『1999年の夏休み』(1988)、『毎日が夏休み』(1994)
『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)、『ガメラ2 レギオン襲来』(1996)
『デスノート』(2006)、『プライド』(2009)
『リンキング・ラブ』(2017)、『信虎』(宮下玄覇共同監督)(2021)
『ゴールド・ボーイ』(2024)など多数
学 歴:東京学芸大学教育学部 卒業
<監督作品>
『1999年の夏休み』(1988)、『毎日が夏休み』(1994)
『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)、『ガメラ2 レギオン襲来』(1996)
『デスノート』(2006)、『プライド』(2009)
『リンキング・ラブ』(2017)、『信虎』(宮下玄覇共同監督)(2021)
『ゴールド・ボーイ』(2024)など多数









