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【社会起業研究科】『泥んこバレーボール大会in鹿児島県南九州市』を開催しました


2025年8月18日
7月6日(日曜日)「泥んこバレーボール大会in鹿児島県南九州市」を市内頴娃(えい)町で開催しました。

開催の目的は、日本最南端鉄道であるJR指宿枕崎線の沿線活性化です。卒業生(4期生)の小野寺宗貴さんは、利用者の減少が進む指宿枕崎線を沿線から盛り上げようと活動しています。今回の企画は、秋に咲くコスモス畑が南九州市の観光名所となりつつあるため、同じ場所で夏の風物詩を作り、沿線を訪れる目的を作りたいと考え、実施しました。私の思いに畑の所有者や地域の方々が賛同していただき、今回の開催につながりました。
当日は4チーム32名が参加し、運営者や観覧者も含めると約100名の人が集いました。社会起業研究科をはじめ、地元の新聞社などが参加者募集の記事を掲載してくださった効果もあり、市内だけでなく、鹿児島市内からも参加者が集まりました。

大会が始まると、童心に帰ったような笑い声が選手たちや観客からあふれ、進行するスタッフも試合を楽しんで見てしまうほどでした。観客も両方のチームを応援するなど、大会自体を楽しみました。また、大人たちの楽しみに留まらず、子どもたちも試合の合間に田んぼの中に入って、ボールを投げ合い、泥遊びを楽しみました。農村地域といえど、子どもたちが田んぼに入る経験は少なくなっています。このような体験がシビックプライドに繋がって欲しいと思います。

記念撮影は、列車が会場付近の鉄橋を通過するタイミングに合わせて行いました。参加者の笑顔からのぞく白い歯と列車の白さ、海と空の青さ、生命力あふれる草木の緑、泥んこの茶色と、大会を象徴するかのようなカラフルに染まった写真となりました。

以下、大会に関わった社会起業研究科関係者の感想です。

4期生:小野寺 宗貴

はじめに地域の方々や家族、社会起業研究科関係者など多くの方々の協力あってこその大成功だったといえます。関係者のみなさまに心から感謝いたします。
休耕田を使ったとはいえ、大会開催時まで草刈りなどの維持管理が大変でした。当日の運営に留まらず、日々の管理をしていただいた地域の方々の協力あってこその大会だったといえます。熱中症や怪我人が出ないよう、打ち合わせや準備にも熱が入りました。
社会起業研究科での学びを経て、企画から運営まで実践しました。「せっかくなら、先生に来ていただき、一緒に地域を活性化してみたい」という思いがあり、藤川先生にも運営に参加していただきました。実践あっての学びであり、学びあってこその成功だったと実感しています。修了後も先生方と相談や活動をコラボできる大学院は、他にないのではと思っています。母校に良い報告ができて良かったです。

1期生:小野寺 洋子

社会起業研究科(以下、社研)在学時に座学で学んだ地域活性化論、いつか「実際」を感じてみたい、どのような地で、どのような人々によって、どのような物語が生まれていくのか体感したいと常々思っていました。
南九州市の地域おこし協力隊として単身移住中の夫(夫も社研卒業生・4期)から「南九州市頴娃町で『泥んこバレーボール大会』を開催する」と、これは協力隊として初めて自身で取り組むイベントであるとの情報が入り、しかも藤川先生にも神奈川からお越しいただくとのこと!これは地域活性化の実際に接する絶好の機会と思い、是非私もお手伝いさせてもらいたいと、夫に相談し、当日のみではありましたがスタッフとして参加させていただきました。普段私は関東にいるため、その場に集った殆どの方々と「はじめまして」だったのですが、なんだか前からお互い知っているように、会話が弾んでいくのです。それは私だけでなく、大会に参加するために遠方から集まってくださった皆さんも、その場で初めて会ったのに、昔からの友達のように話をしているのでした。
大会会場(田んぼ)にはバレーボールに参加する選手だけでなく、その家族、ご近所の方々、カメラを構える人などなど、多くの人が四角い田んぼの周りに集まり声援をおくっていました。通りがかりの人も、ふと足をとめて試合の状況に見入っています。私が田んぼの周りに自然と人の輪ができていることに感動していると、初めて会う、私と同じくらいの年齢の女性が笑顔で「これ、どうぞ」と、塩キャンディを手にのせてくださいました。暑さの中、熱中症予防の為とのこと。見ず知らずの私の体調を気遣ってくださることに感動しました。

また、試合の模様をスマホで撮影しようと三脚を立てつつアングルを決めかねて迷っていた私に、これまた後ろから「うん、そのアングルでいいわよ!」と明るい声。趣味で写真を撮りにきていた方でした。おかげさまで撮影の角度もバッチリと決まりました。この方も、もちろんここで初めて会った人です。試合後は公民館で休憩し、頴娃町のお米のおむすびをいただきました。朝早くから、地元のおかあさんたちが公民館で扇風機をかけながら握ってくださったものです。「美味しいですー!」とお伝えすると「そう、そう言ってもらえると嬉しいわぁ」と少しはにかんだ笑顔で、冷たい麦茶を手渡してくださいました。こうして、笑顔あふれる泥んこバレーボール大会の1日がすぎていきました。また来年ね、という言葉をのこしながら。
私は当日だけの参加でしたが、開催までの段取り、綿密なご準備も地域の皆さんの手によるものと夫から聞きました。とてもとても有難く、素晴らしいことと思います。
静かな湖面にポチャンと落とした小石(今回の例では泥んこバレーボール大会)が、ゆっくり静かにまるく波紋をつくり、外側外側へと広がって地域が盛り上がっていく…この繰り返しが地域活性化の肝になるのではないかと、今回参加させていただいて感じた次第です。

地域活性化論担当:藤川 遼介 (非常勤講師)

10年以上自ら実践して来た泥んこバレーボール大会の事例を授業で紹介したことをきっかけに新たな地域で卒業生と大会運営を行う日が来るとは思いもしませんでした。卒業生と教員が現場にて協力し合う事例が生まれたことは、社会起業研究科としても大きな意義があると思います。
大会では、誰よりも早く私が泥の中にダイブするという美味しい大役をいただいてしまいました。特に初開催地では、参加者がプレー中に汚れるハードルを下げるために誰かが飛び込むことが大切になって来ます。この大役は、ワカ者?(30代)・ヨソ者・バカ者が担うことが望ましいのではないかということで喜んで引き受けさせていただきました。地域の一員として溶け込むために、自らが1番汚れることの大切さを実際に披露する機会をいただけて感謝いたします。人の下に立つ姿勢こそ、理解の第1歩であり、地域振興において重要な要素だと考えているため、この些細な泥だらけになるという行動が地域を動かすきっかけになれば幸いです。
地域活性化論の担当者として、現場実践から見える魅力をこれからも伝え続けていけたらと思います。この泥んこバレーボール大会が、地方で活躍する卒業生・在学生の連携するきっかけとなり、全国に連携の輪が「泥くさく」広がって欲しいと思います。
[社会起業研究科]


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