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「第5回18歳定点調査」2017年度報告

2017/07/13

参政権「18歳は妥当だ」が13.6ポイント上昇。「18歳は早い」に急迫。

第5回18歳定点調査の結果を報告します。第2回調査以降は、東日本大震災が18歳女性の意識と行動にどのような影響を与えたかに注目し報告をしてきました。東日本大震災から6年以上が経過し、中・長期的な視点から大震災の影響を見つめていくとともに、第5回調査では、選挙権年齢を18歳以上に引き下げる公職選挙法等の一部を改正する法律の発布・施行が18歳女性の意識や行動にどのような影響を与えたかに注目しました。

全体から見れば、第4回調査と比較し、全257項目中31項目で大きな変化が見られましたが(一部の質問項目を除く)、東日本大震災直後の第2回調査の結果で見られた程の(44項目で大きな変化・一部の質問項目を除く)多項目にわたる変化は見られませんでした。

それでも、選挙に直接関わる質問項目への回答には大きな変化が見られました。18歳選挙権の是非を尋ねた質問への回答は、「18歳は妥当だ」との回答が調査開始以降はじめて大きく増加し43.5%となり、「18歳は早い」の回答55.3%に急迫しました。また、「選挙権を持ったら、必ず投票に行くと思う」という回答が前回の調査と比較し10ポイントほど増加し、50%を超えました。公職選挙法等の一部を改正する法律が発布・施行されたことで、この1年間に実際に投票を体験した回答者もいたことから、18歳女性にとって選挙が自分の問題であり、「18歳が投票するのは当然だ」と捉える環境が少しずつですが構築されていると考えられます。

18歳女性が自分の将来や、消費に向ける気持ちにも注目すべき変化が生まれていました。「将来に備えるより、今をエンジョイするタイプだ」「ものを買うときは、ブランドを意識する方だ」という回答が増え、「将来役にたつための資格を取りたい」という回答が減っています。景気が回復し、「就職率もよくなっている」などの情報から、もともと自分の将来を明るく考える傾向のあった18歳女性の中に、自分の将来をより楽観的に捉える傾向が生まれていると考えられます。また、それが影響し、消費への姿勢に若干の変化が見られます。

「電車の中で老人に席を譲らない若者を見ると、不愉快だ」と考える回答者がここ2回の調査で連続して大きく減少する一方で、「人前で寄付や募金をするのは恥ずかしい」「食品を買う時は、商品表示をよく見る方だ」という人が増えています。計画停電などを自ら経験した東日本大震災から6年が経過し、「社会に対して何かをしなくてはならないと思う気持ちが薄れていく」なかで、「一人で何かをして、注目されるのに抵抗がある」「周りの大人もやっていない」など、優先する対象が社会よりも自分に向かう傾向が見られます。今後、選挙権年齢の引き下げに伴い、行政や経済をはじめ、18歳を大人として対応する様々な法律や制度が整備されていくことが予想されます。その中で、18歳の意識と行動にどのような変化が生まれていくのか、見守っていきたいと思います。

詳細は、関連資料をご参照ください。


【18歳定点調査の目的と調査方法について】

近年、18歳投票年齢開始に関する議論が盛んに行われ、昨年6月に公職選挙法が改定されましたが、その間、日本の18歳の意識や行動に関する調査はほとんど実施されていませんでした。18歳の実態を把握せずに、議論が進むことのないよう、議論の材料として活用されることを目的として、相模女子大学では、2009年より新一年生を対象に2年おきに18歳女性の意識と行動を探るインターネット調査をスタートさせました。現在、学生の自由意志に任せているため、およそ1000人の新入学生のうち、3~4割の学生が調査に参加しています。

  調査時期 有効回答者数 調査方法
第1回 2009年4月10日~4月24日 326人 インターネット
第2回 2011年4月11日~4月25日 415人 インターネット
第3回 2013年4月15日~4月26日 407人 インターネット
第4回 2015年4月6日~4月24日 442人 インターネット
第5回 2017年4月5日~4月28日 338人 インターネット

お問い合わせは、メディア情報学科 原まで


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