研究助成 アスベスト障害予防研究センター

アスベスト障害予防研究センター

~お知らせ~

当センターは当初の役割であった問題提起の段階を終えて、2012年3月31日をもって発展的に解消しました。今後は、樋野興夫氏(順天堂大学医学部 病理・腫瘍学教授)の主宰する全国的な組織である、「次世代の環境発がんを考える会」に活動を組み入れることとなりました。

今後のお問合せ先
・安達修一(栄養科学部管理栄養学科教授):042-742-1469
次世代の環境発がんを考える会


設立の趣旨

「食」は日本人にとって最も関心を寄せていることの一つであり、世界的にみても最長寿国であることを支えているのは「食」にあると言っても言い過ぎではないでしょう。一方で、過熱した食への期待が誤った情報や根拠のない健康食品の氾濫を生んでいることも事実です。最近注目されている栄養疫学では、根拠に基づいた医療(EBM:Evidence Based Medicine)の立場から食品や食品成分と疾患との関係を検証していますが、明確な根拠のあるものは驚くほど少なく、限られています。それは、「食」というものが究極的には多種類をバランスよく摂取することが良いということを示唆しているようにも受け止めることができます。

食事と病気の調査結果から、βカロテン摂取が多いと癌にかかる割合が低くなるということがわかって、欧米や日本でもβカロテンをサプリメントとして多くの人に与えて癌が減るかどうかを調べるという大規模な介入研究が実施されました。ところが、サプリメントを与えたグループでの癌の発生が期待に反して増えてしまうという結果が相次いで報告され、これらの研究は急いで中止されました。野菜や果実として摂取するβカロテンには化学的にも抗酸化作用などの利点はあるのですが、それだけを摂取しても効果がないどころか、反対の影響がでてしまったのです。

私どもが動物実験で確認したボイセンベリーのアスベストによる中皮腫発生に対する抑制効果は、これまでに発癌抑制作用の報告されている食品や食品成分に例のないほど、明確なものです。また、放射線や喫煙と並んで人間にとって最大の環境発癌因子であるアスベストについて、発癌機構が明らかになっていないこともあって、発癌性を抑える薬や食品の例は知られていません。本研究センターは、アスベスト障害ことに中皮腫がボイセンベリー摂取によって予防できるだろうかという仮説の検証を目的に発足しました。アスベスト、中皮腫も普段の生活の中では馴染みが少ないものですが、今後の急激な中皮腫の増加が予測される中で、食を通しての予防の研究は、食のプロである栄養士、管理栄養士を数多く輩出してきた伝統校である相模女子大学として相応しい研究使命であると考えています。