“女子”だからわかること。“女子”だからこそ考えつくこと。
そうした「発想力」を大切にする相模女子大学の学生たちは、
地域社会と連携する様々なプロジェクトに取り組んでいます。
今回のbloomyでは、vol.18で紹介したふたつのプロジェクトのその後をご紹介。
学生たちの“発想”がどんな実を結んだのか―ご覧ください!!

 

2015年5月に始動したのは、横浜のみなとみらいに佇む国際ホテル「ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル」とサガジョのコラボ弁当を作るというプロジェクト。女子大生らしい視点から“お弁当"を生み出すのは、学生にとって初めてのことだらけの難問です。学生たちにとっては、管理栄養士の卵として、これまで学んできたことがプロの目にどう映るのかを知ることができる絶好の機会をいただきました。
何度も何度も試作を重ね、ついに作品が完成。ホテル側へのプレゼンテーションに挑みました!

プレゼンで重視されたのは、蓋を開けた時のインパクト、季節感、材料の量やサイズ、価格。そして何より大事なのは、食べる人にいかにご満足いただけるか、また食べたいという気持ちにどこまで応えられるかということ。
プレゼンによって選ばれた“お弁当”はもちろん、ホテル側のご厚意により、選ばれなかった“お弁当”からも一部のメニューがホテル直営のカフェテリアで提供予定であるという、頑張った学生たちにとって嬉しいサプライズもいただきました。学生たちは今後もメニューのブラッシュアップに励みます。

リーダー・3年 田川 愛美さん

とにかく難しかったのは、客観的にみた「女子大生らしさ」を表現するということ。何が女子大生らしいのか、実際に女子大生である私たちからみたら、日常すぎてわからなかったんです。こだわればこだわるほど作業工程が複雑になってしまったり、栄養価が合わなくなってしまう…、試作を重ねながら悩むことばかり。家族や知人など様々な人に意見を聞き、女子大生という言葉が持つイメージを調べ、何度も何度も試作を重ねるうちに、ようやく満足のいくメニューが出来上がりました。全員が納得できるまでチーム内で意見を交換しあったことで、完成度を上げられたと思っています。神奈川県の食材をPRするために、レシピの名前に食材名を入れたり、切り方や盛り付け方を工夫し、より県産食材を目立たせるように工夫。また、管理栄養学科という特質を魅せるため、栄養価をどのようにアピールするかも試行錯誤しました。チーム全員のこだわりをカタチにできたと思っています。

リーダー・3年 矢口 茉莉奈さん

私たちのチームが何より重要視したのは、ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテルでの発売ということ。格式のあるホテルが持つ圧倒的な高級感を、いかにお弁当に盛り込むか、ということでした。お弁当のふたを開けたときに、「ああ、高いお弁当だったけど、買ってよかった」と満足してもらうためには、味や栄養価だけでなく見た目にもこだわらなければなりません。すべてにバランスをとることは本当に難しかったですが、とにかく試作を重ね、さまざまな食材を試し、また、お弁当のどこに何を配置するかなどを最後の最後までこだわることで、ようやく第四次案を完成することができたんです。プレゼンではそうした部分を謳うとともに、自分たちが推しているおかずについて具体的に解説しました。コンセプトが「箱を開けたらSpring」で、見て、食べて、春を感じられるようにしたかったことなども説明。ホテル側にも、意欲は買っていただけたんじゃないかな、と思っています。

リーダー・3年 天羽 悠里さん

女子大生らしさを表現するために、第一次案では自分たちが「食べたい!!」と思うものを、まずはお弁当に詰め込みました。するとエネルギーや塩分量が増えてしまい、一食分に収まりきらない結果に。そこから発想と試作を重ね、味の濃淡や具材の大きさなどの研究を続け、ようやく完成したのが第四次案です。旬の食材をたっぷりと使い、神奈川の県産品を計6品入れました。6品は神奈川県全体にわたるよう様々な場所から選び、このお弁当を食べることで、神奈川県内を旅したような気分になれるように設定しています。ただ「女子大生らしさ=かわいらしさ」というイメージでごはんやハンバーグをハート型にしたのですが、ホテルの方から「ハートばっかりでちょっとクドイね」と言われて残念な結果に……。それでも、湘南ゴールドを使ったベイクドチーズケーキと、のらぼう菜を使ったキッシュは「おしゃれで美味しい」と褒めていただけたので、チーム一同、これからの励みになりました!

リーダー・3年 平井 千尋さん

食べて美味しいと思うものと、お弁当に入れて美味しいもの。このギャップがなかなかつかめず、メニュー作りが難航。皆が考えた意見をまとめるのも難しく、この半年間は「大変だったー!」という思いしかありません。試作を重ね、味や色味、大きさなどをひとつひとつ確認。その都度、栄養価の計算をし直して、問題をすべて解決したことで、最終的に自分たちらしいお弁当にまとめることができました。とくにこだわったのはビタミンC。1日の摂取推奨量の3分の2以上をとれるように、ビタミンが豊富な食材を選びました。また、調理方法に偏りが出ないよう工夫し、家庭的なお弁当とは一線を画しました。これは、サガジョの管理栄養学科である私たちのプライドなのかもしれません。そうそう、タケノコの形もちょっとこだわり、ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテルの形を意識し、半月型にカットしてたんですよ!これはホテルの方にいいね、と言ってもらえました。

リーダー・3年 保坂 真澄さん

高級感、季節感、神奈川産。そして女子大生らしさ――ホテルの方々が求めるものをとらえるまでに、かなり時間を費やしてしまいました。その都度、ホテルの方々に納得がいくまで質問し、メンバーそれぞれが自分なりに発想し、集まれる人だけでもいいから集まって意見交換をしあいました。意見交換した内容は参加できなかったメンバー含め全員に連絡し、常に情報を共有したことで、最終的にはみんなが納得できる、完成度の高いお弁当を作ることができたと思います。プレゼンでは、ホテルの方々がイメージしやすいよう、スライドの画像や写真の背景、照明にもこだわりました。もちろん、お弁当は彩りを豊かに。晴れた空が似合うような、華やかでにごりのない色味に仕上げました。そうそう、マーガレット型(サガジョの校章はマーガレットをあしらっています)のかぶをメニューに入れたのですが「女子大生らしく、コラボ感があっていいね」と、ホテルの方に好評でしたよ。

リーダー・3年 平野 美佐子さん

私たちのチームでは、箱根や鎌倉といった「歴史の街」、湘南や三崎など「海辺の街」、そして横浜中華街やみなとみらいなど「多国籍な街」と、神奈川県全体を3つの街としてイメージ的にとらえ、メニューを決めていきました。そのために何度も出かけたのが図書館。様々なレシピ本を読んで情報を集めました。また、各自がアルバイトをしている飲食店で、シェフに話を聞いたりしたこともあります。集めた情報をメンバーで共有し、発想を膨らませることで、女子大生らしいお弁当を作ることができたと思います。私たちのお弁当の中で見てほしいのは、花の形に切ったレンコンや大根、ミートローフです。県産品を12種類と多めに使い、マーボーシュウマイや、三浦キャベツとしらすのレモンしょうゆ和えといった、食べるだけで神奈川県を食べ歩きしているような感覚になってもらえるよう、メニュー構成にもこだわりました。難しい課題でしたが、個々の発想からヒントを得て乗り切ることができました。

【採用されたお弁当について】
今年の6チームはどれもアイデアを凝らし、更なるパワーアップ・本気度を感じました。 今回選ばせていただいたお弁当は、見た目・季節感に加えアイデアも素晴らしく、自信を 持ってお勧めできるお弁当になると思っております。残念ながら選ばれなかったお弁当も、 一部をどこかで提供出来るようにホテル内部で調整していますので、今年の春を楽しみにお待ちください。授業の合間にも関わらず、ありがとうございました。

【プロジェクト全体について】
一昨年初めてこの企画を聞いた時には、正直期待と不安が交錯しておりましたが、実際の完成品を見て、女子大生らしいアイデアが随所に盛り込まれ、栄養価も計算され、その素晴らしさに大変感動しました。そして今回もより多くの皆様がこの企画に参加していただき、改めて感謝申し上げます。美味しいお弁当に仕上げます。

東日本大震災で大きなダメージを受けた、岩手県大船渡市。そこに工場を構える森下水産株式会社と相模女子大学とが連携し、2013年に『モリーくんプロジェクト』が発足しました。三陸の海で採れる栄養豊富なわかめなど海鮮を使った食品を考案。サガジョ生の発想力で大船渡を元気にしようと、参加した学生たちは一生懸命です。そしてプロジェクト発足からおおよそ2年が経った2015年12月、なんと全国のナチュラルローソンにて、モリーくんプロジェクトの商品が発売!! プロジェクトが、ついにカタチとなりました!

学芸学部英語文化
コミュニケーション学科・3年
根津真由美さん

 

3年生ということもあって勉強が忙しく、なかなか大船渡に行く時間がとれなかったりと反省点が多いのですが、8月には大船渡へ行き、キッシュを生産するためのラインを見学してきました。
普段は別の水産加工品を作っていて、キッシュを作るときは1日ラインを貸し切って作ることになるので、どのような工程で、どんな風に内容を改善すれば、より生産性が高まるのか、工場で働いているみなさんの手間が省けるようになるのか……。
今まではそういった内情について知らずにいたのですが、今回きちんと学んだことで、これからの商品づくりに生かせるようになりました。

プロジェクトには2つのチームがあり、商品開発、マーケティングをそれぞれ行っているのですが、商品開発チームでは今、形状をどうするか、試作を重ねています。
円形のキッシュはイメージ通りで可愛らしいのですが、ぽろぽろこぼれてしまったり、パクッと簡単に食べられないのが難点。フォークとナイフでいただくもの、というキッシュの従来イメージを覆し、もっと手軽にたくさんの人に手にとっていただきたいので、細長い形の食べ進みやすい商品を考案中です。
また、キッシュの表面にもっとツヤを出せたら、さらに美味しそうに見えるのでは?という意見をもとに、大船渡で作られている椿油を活用する案を模索しています。
少しでも大船渡のみなさんのためになるように、出来ることはすべてしていきたいと思っています。

マーケティング部門はそれぞれ知恵を絞り、どういった場所に営業をかければいいか、どんなお店で売ってもらうことが一番いいか、常に意見を出し合っています。
今後になりますが、首都圏で働くOLさんたちにグループインタビューをお願いし、商品をより美味しく、より手にとってもらえるようにするにはどうするべきか、マーケティングを行うことが決定しています。
「美味しかったですか?」と聞いたら「うん、まあね」と答えられてしまうことは予想できるので、足りないことはなにか、改善すべき点はどこか、相手が答えやすいような、そして改善点がくっきり見えるような、そんな質問を考えています。とても難しいのですが……サガジョの発想女子のひとりとして、乗り切りたいですね!

そして!! うれしい報告になるのですが、2015年の12月に、ナチュラルローソンさんにて1万食限定でキッシュを発売していただくことが決定したんですよ!(※こちらは11月に取材した内容です) これは本当に、森下水産株式会社のみなさんのおかげです!! ただ、私たちが考えてきた「しゃけとわかめキッシュ」では女性ウケがしないと判断され、「サーモンとほうれん草のキッシュ」の販売になってしまいました。それはそれでうれしいのですが、やはり「わかめ」にこだわりたい、三陸産のわかめを使って、どうにかカタチにすることが新たな目標になりました。そうした部分を含めて、さまざまにマーケティングを行い、森下水産様のキッシュ開発に協力していきたいと思っています。