―こんなスローガンを掲げる相模女子大学では、地域を見つめ、地域の良さを見つけるために、市民のみなさんに楽しんでいただけるイベントやプロジェクトを数多く行っています。今回はそうした活動の中でも、子どもたちにスポットライトを当てた『こどものまちプロジェクト』について、ご紹介します!

30年ほど前にドイツ ミュンヘン市で始まった『こどものまちプロジェクト』。子どもたちが主体的に働き、お金を稼ぎ、物品を購入したり遊んだり、楽しみながら「まちづくり」の仕組みを体感できる“ごっこ遊び”の一種です。キッザニアなど、同様のシステムを用いたテーマパークもありますが、一番の違いは「まちづくり」に参加できるということ。税金を徴収されたり、市長に立候補したり、選挙を体感したり―こうした大人顔負けの、リアルな「まちづくり」を体感することで、自分たちが住む地域の未来に目を向けてもらう。それが、『こどものまちプロジェクト』の、大きな目標となっています。

今年の夏に行われた「相模大野のこどものまちエンジョイスマイルさがみ2015」。相模女子大学のキャンパスを使って行われ、大勢の子どもたちが、仮想の「まち」を楽しみました。 相模原市では2010年から『こどものまちプロジェクト』を開催してきましたが、2014年からはサガジョが本格的に運営・実行に参加。女子大生ならではの“発想力”を元に、楽しい企画を子どもたちに届けるべく、他大学の学生や地域の高校生、ボランティア、そして市役所や県庁、企業等から参加してくださる専門スタッフたちと共に、子どもたちのための「まち」を作り上げました。 それでは、皆さんにお話をうかがってみましょう!

豊島さん 私は実行委員長なので、会議での司会進行はもちろん、イベントの運営をとりまとめていました。8月のイベントでは当日のオープニングの司会をしたのですが、300人くらいの参加者の前で話すのは初めての経験で、とても緊張しました。でも、子どもたちの前で自己紹介をしたおかげで、あちらから声をかけてもらえたので、とても嬉しかったです。

大平さん 私は、イベント当日にボランティアのみなさんに仕事を割り振ったり、アルバイトをしてくれる子どもたちに説明をしたり、バタバタな1日だったのを覚えています。副委員長として、全体の流れを把握するとともに、どんな質問をされても責任をもって答えられるよう、細かな部分まで気を配らなければならないことが大変でしたが、やりがいがあり楽しめました。

倉橋さん 私も副委員長なので、大平さんと仕事内容は概ね同じなのですが、『こどものまち』のエールワーク(ハローワークのような役割)で子どもたちに仕事を紹介する役に付いていたんです。子どもたちが「楽しかった!! 働くのおもしろい!!」と嬉しそうに話してくれるのを見て、私も嬉しくなりました。

大須賀さん 私はチームリーダーとして、「おいしいチーム」を率いました。このチームは、やきそばや“そうらーめん”、フランクフルト、ホットケーキなど、食べ物を作って売るお店を運営するチームです。どのお店も人気で、100食以上を売り上げることができたのですが、運営を手伝ってくれた子どもたちがみんな笑顔だったのが印象的でした。

萩原さん 私は「よろずやAチーム」をまとめる仕事をしました。文房具店や雑貨店などのお店のほか、手作りのアクセサリーを作る工房もあり、子どもたちにとても喜んでもらえました。中には本格的な「カジノ」もあり、ゲーム世代の子どもたちにウケていました。

こどものまちで過ごすための必需品で、食品アレルギー申告書もついている優れもの。イベント前に子どもたちの元へ送付される。

大須賀さん イベントを行う上で最も大変だったのが、ボランティアの皆さんや子どもたちに仕組みを理解してもらう、ということだったんです。自分たちより年上の方がお手伝いに来てくれるので、なかなか厳しいことが言えなかったり、「まち」で働きたがる子どもたちが多かったので人数を増やしたら、ケンカが起きたり、わちゃわちゃして収集がつかなくなったり。私自身がもっときちんと仕組みを把握できていれば、こんなことにはならなかったのかな、と反省。できるだけ多くの人が分かりやすいシステムを作り、来年につなげたいと思いました。

大平さん そうそう、子どもたちが「働きたい!!」ってエールワークに殺到しちゃったんですよね。それを対処するのがなかなか大変で……。こちらが言っても聞いてくれない時は、ちょっと乱暴ではあったのですが、エールワークの窓口を開け閉めできるようにし、子どもたちの行動をできるだけおとなしくさせるようにしていました。子ども教育学科で学んだことを生かせたかと言われたら……まだまだだったかな?とは思うのですが、今年の経験を、来年度のプロジェクトでも生かしていきたいですね。

萩原さん 私の担当するよろずやでは、お店で販売するグッズが売り切れてしまうというハプニングがあったんですよ。予算が足りなくなったり、お店そのものが成り立たなくてつぶれてしまうことも……。売り切れたお店は商品を買い足し、オークション形式で売ったり、値段を調節しながら売ることでなんとかその場をしのぎました。子どもたちの期待を裏切らないために何ができるか、スタッフみんなで考えたことが、成功につながったと思います。

豊島さん ファッションショーなどのイベントも開催したのですが、出場者が集まらず、戸惑うことがありました。これはアナウンスが足りなかったのかも……?という反省点を元に、子どもたちが参加したくなるようなアナウンス方法に変えたところ、参加者が増えたんです。あらかじめ設定したマニュアルだけでは「まちづくり」は成り立たないのだと実感した瞬間でした。更なる反省点としては、イベント当日に委員同士の連絡が密に取れなかったこと。そのために閉店してしまったお店もあったので、今後はフォローできる体制をうまく作っていきたいと思います。

倉橋さん 確かに、連絡が行き届かなかったことは、今回の一番の課題でしたね。販売する商品が無くなって閉店したのに、それが本部のほうに届かず、エールワークに来た子どもたちに仕事をあげてしまったんです。子どもたちからはもちろん苦情が出るわけで……。その閉店したお店のカードを処分することで、その場は切り抜けたのですが、子どもたちを相手にする以上、こうしたミスは致命的であることを知りました。今回はスタッフみんなの“発想力”で乗り切れたので、来年はこの経験を絶対に生かします!

相模大野こどものまちでの買い物や遊びに使えるオリジナル通貨で、給料として手にすることが出来る。30分働くと30さがミニ、60分で60さがミニをもらえるが、約6割を税金として徴収される。

豊島さん 今回はサガジョでの開催ということもあり、委員もサガジョ生が多かったのですが、もっと様々な意見を取り入れるために、他大学や高校にも働きかけていきたいと思います。そうしてクオリティを上げることで、子どもたちはもちろん、相模原を訪れるみなさんに楽しんでいただけたらうれしいですね。

大平さん 昨年度、今年度の反省をしっかりと踏まえ、仕組みを改善したいと思います。また、相模原の商店街のみなさんなど地元の方々をもっと多く巻き込み、子どもたちに実際の「まち」を知ってもらえるようにしていきたいですね。相模原での取り組みを全国から見に来てもらえるので、サガジョの魅力を、相模原の魅力を、より多くの人に伝えられる機会にしたいと思います。

萩原さん 来年のサミットでは、『こどものまちプロジェクト』をもっと多くの人に知ってもらうキッカケになれば……と思っています。常に「楽しむ」気持ちを忘れず、関係者の方やスタッフ、参加者が一丸となって、みんなの持つ可能性を広げられる。そんな活動の場として、このプロジェクトを展開していけたら嬉しいですね!

倉橋さん 相模原らしさ、サガジョらしさ、私たち“らしさ”を出せるサミットにしたいですね!改善点について、じっくり話し合うのも大切ですが、オリジナリティのあるイベントにできるよう、みんなで意見を出し合っていきたいと思います。

大須賀さん テーマを決めて、今年できなかったお店やまちづくりを行いたいですね。スターバックスコーヒーさんや、デニーズさん、銀行など、学生がよく利用するお店のみなさんにも参加していただき、もっともっとリアルで大きな「まち」を作れたら……と思います。日本における『こどものまちプロジェクト』の指針になれるように……サガジョ生の腕の見せどころです!

「全国こどものまちサミット」は、全国の「こどものまち」を主催するメンバーが集結し、特筆すべき事例や抱える課題を出しあい、情報交換や研究を行う場として年1回開催されています。10月11日(日)・12日(月・祝)の2日間、静岡市で開催された今年のサミットには、サガジョ生も参加!「こどもと女子大生のつくるこどものまち」というテーマで、相模大野のこどものまちの取組を紹介しました。さらに、相模女子大学で開催される2016年度サミットの運営の担い手として、全国サミットの横断幕をしっかりと受け取りました。