自分たちが“今”出来ること。自分たちだから出来ること。東北から遠く離れた相模女子大学で立ち上がった学生たちは、今年も変わらぬ支援ボランティアを行っています。2013~14年に行われた活動内容について、体験談とともにメンバーから語っていただきました。

渡部綾乃さん
復興支援学生ボランティア委員会
委員長

学芸学部
英語文化コミュニケーション学科 3年

大塚香月さん
復興支援学生ボランティア委員会
副委員長

学芸学部
英語文化コミュニケーション学科 2年

根津真由美さん
モリーくんプロジェクト
リーダー

学芸学部
英語文化コミュニケーション学科 2年

堀真子さん
保育園訪問・展示会
リーダー

学芸学部
子ども教育学科 2年

渡部さん:仮設住宅を訪問したり、森下水産さんと提携したモリーくんプロジェクトを始動したり。すべてのプロジェクトをまとめる委員長として、何かと忙しく活動をさせていただいた1年でした。
大船渡へも何度か足を運んだのですが、ただ行くだけではなく、現状を伝えていきたいという思いがあり、伝承杭の設置にこぎつけたんです。
リーダーとしての役割を務めるのがなかなか大変で……私は3年なのですが、2年の後輩の人数が多く、みんなから意見を引き出すのに苦労しました。また、先輩たちや自分たちの想いを引き継いでもらうためにどうすればいいかなど、考えることがたくさんあり、とまどうことも多かったように思います。それでも、こうして少しずつカタチにすることができ、満足できる1年でした。

東日本大震災の津波の被害を受けた大都市に設置された 情報杭です。ICタグ・QRコードから大船渡市の復興の様子 を見ることが出来ます。

堀さん:私は展示会のリーダーと保育園訪問のリーダーを担っているのですが、展示会では「被災地の今を伝える」というテーマを、展示という手段を通してわかりやすく伝えるために苦労をしました。 保育園訪問では、大船渡市へ行くまでの間の準備にてんやわんや。ペープサート(紙で作った人形劇)を作ったり、神奈川にいるだけではわからない現地情報を集めたり。仮設住宅や保育園の状況を調べたり、他大学のボランティア活動とかぶらない内容にするため、ひたすら情報を収集していました。

大塚さん:メディアでは得られない被災地の情報を得るために、復興伝承杭をサガジョに設置するプロジェクトを行ったのですが、ペットボトルキャップを集めることからスタートし、5kg分のキャップを集めることができました。回収したペットボトルのキャップをすべて洗浄してから、杭を制作してくれる会社に送るのでその手間はとても大変でしたが、無事にサガジョの庭に設置をすることができてホッと一安心♪ また、ボーノ相模大野で、大船渡伝承市場も開催。仮設住宅の現状を映像で流したり、大船渡や気仙沼の物産を販売したことで、相模原市の方々に、被災地への理解を少しでも深めていただけたのなら……うれしいですね。

根津さん:私が主に携わったのは、森下水産との協定プロジェクトです。このプロジェクトは、森下水産のキャラクターの名前を決め(モリーくん)、そのキャラクターを使って森下水産を、そして大船渡の水産業を盛り上げていく、というもの。「大船渡から世界へ」というスローガンを元に、女子大生だからこその発想で、水産加工品を使った食品を開発。わかめさんパン(わかめを甲羅の部分に練りこんで可愛く仕上げたメロンパン風のわかめパン)や、魚介類を使ったキッシュなどを提案しました。

プレゼンテーションを行う上で資料やレジュメを作ったりと苦労もありましたが、これから商品化に向けて動いていくので、よりよい商品作りに励みたいと思っています!

根津さん:仮設住宅を訪問したときのことですが…今まで耕してきた畑や田んぼが津波で流されてしまったため、地元のおばあちゃんたちが協力して、ひとつの畑を耕して作物を育てているんです。そこで採れた、とっても美味しい大根の浅漬けをふるまってくれて……本当に感動しました。

もち米とごはんを混ぜて作る炊き込みごはんを作ってくれたり、カブを美味しく漬けるコツを教えてくださったり……津波というとても辛い経験は、忘れることが出来ないと思うのですが、それでも前向きに生活し、私たちボランティアを歓迎してくれる優しさに心を打たれました。

堀さん:大船渡市でのボランティアは弾丸ツアーで行われることが多いのですが、1泊4日のバス移動はかなりキツかったですね~。現地では公民館に宿泊するので、座布団を並べ、バスタオルを敷いての雑魚寝状態。それでも、被災地の方々はもっともっと辛い思いをしたのだと思うと、文句を言うことなんてできません!私は山形県出身で、震災の当時は高校3年でまだ地元にいたのですが、津波の被害の恐ろしさに驚愕したことを覚えています。当時からボランティアに参加し、がれきの除去をお手伝いしていたので、海岸沿いの街など、がれきが消えて、かなりキレイになったのは実感しました。それでもまだまだ復興が進んでいないのが現状です。

渡部さん:現地のおばあちゃんたちが「また来てね」と、優しく受け入れてくれたことがなによりの思い出です。赤の他人である私たちを受け入れてくれる。震災の影響をまったく受けていない、都会の子どもを受け入れてくれる――被災地の人たちの心の広さは、本当に驚くばかりです。勉強とボランティアの両立は、時間的に大変なこともありましたが、ボランティア自体をマイナスに考えないようにし、勉強に支障が出ない範囲で行うことでクリアーしました。思いついたことがあったらメモをし、昼休みに集まって会議をしたり。忙しかったけれど、楽しく過ごせた1年だと思います。

大塚さん:初めて現地を訪問したときは、どのように接すればいいのか悩みました。交流の仕方がわからないというよりも、どのようなお話をすればいいのかわからなかったんです。被災した当時のことを聞いていいんだろうか?辛い思い出ではないのか?って。でも、あたりさわりのないことからお話しするうちに、心を開いてくださって……3.11の辛かった記憶を、色々と語っていただけたんです。他人に話すことで癒される傷もあるのだと、知ることができました。また、私たちの活動を通して、「復興へ向けてがんばろう」そう思っていただけたことが、2013年度のボランティア活動の大きな収穫です!

堀さん:大船渡市でおばあちゃんたちと話をしたり、活動をしたりするとき、必ず、震災の話が出てくるんです。そんなとき、忘れることのできない傷が、被災地の方たちに残っていることを実感。なので、傷ついた心をどれだけ癒してあげられるのかが、これからのボランティア活動のテーマになってくると思います。少しでも長く話し相手になってあげて、少しでも心を癒してあげること。それを目標に、これからもボランティアを続けたいですね。

渡部さん:私自身が宮城県の出身で、父親は女川原発で働いていて、祖父母は福島県の南相馬市に住んでいて……大船渡を含めた被災地の辛い現状と、原発に頼って生きてきた地方の現状など、様々な辛さがわかるんです。だからこそ、今の私たちにできる支援を少しでもひとつでも多く行っていきたいと、そう思っています。まずは、多くの人たちに「今」を知ってもらうこと。そしてひとりでも多くの人に大船渡へ、その他の被災地へ、足を運んでもらい、良さを知り、「また行きたい」そう思ってもらうことが必要だと思っています。

大塚さん:仮設住宅で暮らしている人はまだまだたくさんいらっしゃいます。物質的な支援ではなく、心のケアを行うことが私たち学生が出来る、最大の「支援」だと思います。そのためには、ボランティアに参加してくれる学生や、一般ボランティアの人数を増やすことが重要な課題なんです。私たちのボランティア活動を通して、ひとりでも多くの方にボランティアに参加してもらいたいと思っています。「募金」も大切な支援ですが……人の心は、お金では決して癒せないものなのですから!

根津さん:被災地の復旧はもちろんですが、被災地を元気にするために、根幹から改善することが必要だと思っています。私はサガジョのボランティアとは別に、里山資本主義的な、農業を通じて日本の未来を考える活動も行っているのですが、失った資源を再び作りだせるような、若い人たちのパワーをもっと、被災地に集める必要があると思っています。まだまだ勉強不足でわからないことも多いので、もっともっと勉強して、私たちにしか出来ないアイディアで、復興の手助けをしていきたいです!