“見つめる人になる。見つける人になる。”
こんなスローガンを掲げる相模女子大学では、
発想力の育成を重要な課題とし、地域貢献や観光開発など、
さまざまな取り組みを行っています。今回はその取り組みの中のひとつ、
トマトスウィーツの“魅力”を消費者に知らせるために、
人間社会学部社会マネジメント学科に所属する
サガジョ学生たちが挑んだ、
産学連携プロジェクトについてお伝えします。

相模女子大学では、国から農商工連携事業計画の認定を受け、産学連携商品を開発するプロジェクトを発足しています。創業70余年、直火炊きによる本格手作りをモットーとする【甘納豆のつかもと】こと株式会社つかもと様と連携。味わい豊かでリコピンが豊富な福島県産のミニトマト「アイコ」から作られたグラッセとコンポートについて、学生がパッケージデザインや販売戦略を考案。試食会やマーケティングリサーチを行うなど、商品化の作業を行いました。学生はこうしたプロジェクトを通して実践的な能力や、社会に貢献する知識を養います。

気軽に手にとれるよう、親しみやすいパッケージに徹した【toma toma amanatto】は、お酒のおつまみに最適。ちょっとした贈り物や手土産におすすめの【tomatokyo】は、角形の瓶にこだわり、高級感を演出。福島県のおいしいトマトが、おしゃれに変身を遂げました!

はじめは「とまなっとう」というネーミングにする予定だったというトマトのコンポート。東京土産を想定して、「tokyo」の地名をネーミングに取り入れました。

こちらはトマトのグラッセ。「(美味しくて)トマトがとまらない」というフレーズから「toma toma」という名前が考案されました。洋酒のおつまみに最適です!

石川美緒玲さん
人間社会学部
社会マネジメント学科 4年

奥津美穂さん
人間社会学部
社会マネジメント学科 4年

久保友里さん
人間社会学部
社会マネジメント学科 4年

西垣由紀子さん
人間社会学部
社会マネジメント学科 4年

桃澤尚子さん
人間社会学部
社会マネジメント学科 4年

上西奈都美さん
人間社会学部
社会マネジメント学科 4年

吉村美砂さん
人間社会学部
社会マネジメント学科 4年

学生たちの元に届いたのは、トマトのコンポートと甘納豆、ふたつの試作品。それをメンバー全員で試食し、どのようなコンセプトで売ればいいか、ターゲットやパッケージ素材などの考案を行いました。

コンセプトの立案は、「ギフト」・「お酒のおつまみ」・「美容食」の3方向から行いました。私は「ギフト」を担当したのですが、女性が手に取ってくれるよう、特にデザインを重視しました。ギフトは自分で消費するのではなく、他人に差し上げるもの。見た目がダサイものでは手に取ってもらえないと思ったので、ビンの形やシールの色にこだわっています。

ミニトマト「アイコ」はリコピンが豊富で、美肌にうれしい野菜。そのため私は「美容食」の観点から企画を立案。なぜトマトが肌に良いのか、トマトの美容効果はどういったものなのかなど、基本的なことから下調べを積み重ね、その上でデザインイメージや、商品に記載するキャッチコピーなどを固めました。

私たちのグループが発案したのは、洋酒のおつまみになるような、トマトスウィーツの活用法です。トマトが甘いという“不思議さ"を逆手にとり、男女ともに手に取ってもらえるよう、デザインやコンセプトを考えました。男性の視点がよくわからず、最初は難航しましたが、みんなで想像を拡げ、作り上げていきましたよ!

トマトを使った甘納豆という、一般的ではない新しいスウィーツ。それを一般消費者に受け入れてもらいやすくするためには「アレンジする方法があった方がいいのでは?」。授業後の雑談の中からそんな発想が生まれました。さっそく試作用にキッチンを借り、甘納豆の食べ方をアレンジする方法を考えました。

ジャムにしてみたり、ヨーグルトに入れたり、お酒に合う甘さであることを利用して、シャンパンに入れてみたり。みんなでアイディアを出し合って、トマトの甘納豆を美味しく食べるために試行錯誤を繰り返しました。あまり突飛なアイディアだと、消費者がわかりにくいと思ったので、出来るだけ手間のかからないアレンジ方法を探しました。

学生が考えたデザインを元に、プロのデザイナーが仮パッケージを制作。商品のプロトタイプを作成し、相模女子大学の学園祭で商品テストを行いました。テストに参加してくれる人を対象にアンケート調査を実施。消費者から見たリアルな意見を得て、さらに改良を重ねました!

私はアンケートの作成を行ったのですが、具体的な答えが返ってくるよう、質問作りにとても気を配りました。メンバーのひとりが心理学の授業をとっているので、その授業の担当教諭から、どのような質問なら答えやすいのか相談にのってもらったことも。ただ……アンケートの結果は考えていた以上にシビアで、単純に提案しただけではダメだということがわかりました。

アンケートの意見の中には「トマトが嫌い」という人も多くいたんです。実は私も、トマトがあまり好きじゃなかったので、そういった人たちの気持ちはよくわかります。それでも、トマトを甘くすることで美味しくなるということを試食して知ったので、そのことをできるだけ伝えられるよう、固定観念を覆せるよう、もっともっと、アピールする方法が必要なのだと実感。それでも、こうしてアンケートの結果を見て、改善点を考えることはとてもおもしろく、やりがいを感じました!

アンケートの結果、トマトのスウィーツは珍しく、話題性はあることが判明。しかし、野菜という固定観念も強く、“お菓子"であることをどうアピールするかが課題に……!

アンケートの結果を受け、学生たちは自分たちが立案したコンセプトを再考。ターゲット層の見直しや、デザインやキャッチコピーに改良を加えました。「ギフト」、「お酒のおつまみ」、「美容食」の3つの提案の中から「ギフト」と「お酒のおつまみ」の2つが選ばれ、商品化への道を進み始めました!

自分たちでは考えもしなかったことを、アンケートを通じて知ることができました。とくにトマトが嫌いな人が多かったことや、幅広い世代に向けた企画開発を行うことの重要性を知ることが出来たように思います。私は「お酒のおつまみ」の企画開発を行うグループに所属していたのですが、はじめ20代だったターゲット層を30代に引き上げ、トマトの二日酔いの予防や改善という点についてもコンセプトに取り込むなどの改良を行いました。

わずか2日間の会期ながら、発売した製品はふたつとも大好評で、消費者からの反応は上々! 「tomatokyo」というネーミングから、外国人観光客が東京土産として買ってくれました。

ゼロから商品の企画開発を行うという一大プロジェクトを終えたメンバーたち。大変だったこと、面白かったこと、普段から努力していることなどを語っていただきました。

私の役割は、パッケージデザインの発案。いろいろなお店に出かけて、目についた商品を頭に入れ、色合いなどを工夫しました。トマトなのでどうしてもテーマカラーが赤と緑になるんですが、使いすぎるとクリスマスのようなイメージになるので、やりすぎないようセーブするのが難しかったです。

デザイナーさんとのやりとりが本当に大変でした。こちらの意図が上手に伝えられず、改善してもらう際にもどうすればわかってもらえるのか、そればかり考えていました。また、他の授業とのやりくりがけっこう大変で……それでも、商品キャッチを考えたり、販売戦略を考えるのはとても面白かったです!

株式会社つかもとさんは茨城県にある会社で、地理的に遠いことから意見交換をするのに多少手間取ることがあり、その点が難しいと感じました。私はレジュメ作りやアンケートのまとめ、企業側に提出する資料の作成などを主に行ったのですが、わかりやすく、伝わりやすい内容に仕上げるのも、とても苦労しましたよ。

雑誌を読み、流行を把握するようにしています。新しく発売されたものなども、実際に目で見て確かめて、なぜ必要とされるのかなどを考えたり。トマトスウィーツの開発に携わってみて、自分の考えと実際とのギャップが大きいことを知ったので、客観的に物事を見る目を養っていきたいと思っています。

友達や家族と話をしたり、好きな場所に出かけたり、出来るだけぼ〜っとしたり。あえて自分らしく過ごすことで、新しいものを生み出す力につなげています!

アイディアを出すこと、企画を考えること……これらは、普段の生活の中では決して味わえないこと。なかなか出来る経験ではないので、機会を与えてくださった相模女子大学に感謝しています!社会人になってからも、出来るだけこういった仕事に就きたいので、この経験を就職試験等に活かしていけたらいいですね♪

商品を売るということは、消費者に対して商品の良さを伝えることがなにより大切なのだと、授業を通して知りました。でも、この「伝える」ということが本当に大変で……。自分の感覚と他人の感覚はまったく違うということを考える、良い機会になったと思います。また、みんなでひとつのことを成し遂げる楽しさも味わうことができました!

産学連携プロジェクトをサポートしてくださっているのは、幅広いコンサルティング経験を持ち、経営学の博士号を持つ金森剛教授。相模女子大学の産学連携プロジェクトをはじめ、社会に出たときに必ず役立つ、実務に即した授業を行っています。