サガジョの食物栄養学科から生まれたマーガレットケーキが2012年のフード・アクション・ニッポンアワード審査委員特別賞を受賞しました。2010年の開発から色々な出来事を経て、ここまでたどり着いたマーガレットケーキ。その開発当時の秘話を紐解いていきます。

未来の子どもたちのために、安心しておいしく食べられる社会の実現を目指して設立。特に食料自給率の向上を広く社会に浸透させる取り組みを実行する団体を表彰しています。

短期大学部食物栄養学科と、自然の色や素材を大切にしたおやつ&デリショップ「3p.m.(さんじ)」が共同開発。日々の生活に不足しがちなタンパク質を手軽においしく摂取できるように素材を研究し、さらに生地には大学内で収穫した梅を使い、相模女子大学の校章「マーガレット」型に焼き上げた上品でやさしいケーキです。

石橋侑さん
相模女子大学短期大学部
食物栄養学科
2011年度卒業

池田紗都美さん
相模女子大学短期大学部
食物栄養学科
2011年度卒業

青木千晴さん
相模女子大学短期大学部
食物栄養学科
2011年度卒業

大迫早苗先生
相模女子大学短期大学部
食物栄養学科
教授

岡田佳織助手
相模女子大学短期大学部
食物栄養学科
助手

大迫先生:もともと学科広報の一環としてゼミ内で行ったお菓子づくりが開発のきっかけのマーガレットケーキ。3人が卒業した後も自然の色や素材を大切にしたおやつ&デリショップ「3p.m.(さんじ)」さんの販売協力を得て、大学や授業といった垣根を越えて一般消費者の方に食べていただく機会を得ました。発売決定後は食物栄養学科の後輩が先輩である開発者のみなさんからのバトンを引き継いでケーキを改良し、「フード・アクション・ニッポンアワード」の賞をいただいたり、世間的にも大きく認知されることになりました。

岡田助手:3人が卒業してからマーガレットケーキを取り巻く環境はかなり変化があるのですが、改めて開発当時を思い出してみるとどうですか?

池田さん:自分たちが作ったケーキが箱に入れられてお店で売っていると思うと感慨深いですね。当時を思い出すと、材料の配合や混ぜ方を先生に厳しく指導されたり…。最初は何もかも試行錯誤で本当に大変でしたね…。

石橋さん:後輩の子が自分たちの作ったマーガレットケーキというバトンを引き継いで、世の中に発信してくれてうれしいです。当時はどうやって相模女子大学ならではのケーキにするか、アイデアを考えるのに苦労しました。普通のケーキにはない付加価値をつけようと思って、ひたすら考えましたね。

池田さん:そうやって試行錯誤するなかで、大学内になっている梅の実で作った梅酒とその実を入れたケーキを作製しました。

岡田助手:学生がアイデアを考え、大学の梅の実を使ったお菓子。味、型、香りからも相模女子大学らしいケーキになったと思います。

大迫先生:その後さらに話し合いを重ねて、生活に不足しがちなタンパク質を摂取できるケーキにしようということになりました。一般的に栄養面に優れたケーキは珍しいけれど、作るうえで苦労したことってあるのかしら?

石橋さん:実際に作ってみたら、タンパク質の配合調整がとても難しかったです。入れすぎるとうまく膨らまず、食感が固くなってしまうんです。おいしい食感で栄養面も優れたケーキにするにはどんな配合がベストなのか、そのバランスを見つけ出すのにすごく苦労しました。

池田さん:栄養面だけ考えたら多く入っていた方が良いけれど、そうすると食感が悪くなっちゃうんですよね。市販のお菓子でもタンパク質が多く入った健康食品がありますけれど、硬くて好き嫌いが分かれますよね。

青木さん:だから何回も試作に試作を重ねて、タンパク質の配合が5%前後というマーガレットケーキのベストバランスを見つけたんです。

大迫先生:なるほど。確かに当時は、いつも試作してはみんなに官能評価してもらって…という作業を繰り返していましたもんね…(笑)。他に困ったコトなどはありましたか?

池田さん:焼き加減や表面のキレイさによって、焼く時間が変わってくるのでその細かい調整が大変でした。実際に焼いてみないと分からないことが多くて。
石橋さん:形をキレイにするのも難しかったです。しっかり型から抜けるように、バターを塗っておいて。それでもうまく型から抜けなかったり、はじが欠けちゃったり。

青木さん:確かに、マーガレット型の花びらの部分がなかなかうまくいかなかったよね。

池田さん:でもやっぱり相模女子大学の校章であるマーガレットをケーキで表したかったんです。見た目もかわいいですし。

大迫先生:他の勉強やアルバイトもあるし、みんな大変そうだったわよね。開発期間も長かったから、今だからこそ言えちゃう「もうイヤ!」ってなったエピソードもあったんじゃない?

池田さん:試作段階では、いったい何回作ればいいんだ!って気持ちになったりしましたね(笑)。

石橋さん:でも、今思い出すと苦労も楽しかったかも。

大迫先生:そう思ってもらえているなら幸いです(笑)。マーガレットケーキの開発経験は、卒業してからも生きてますか?

池田さん:今、栄養士として働いているんですが、現場に出てみると他の調理師さんと献立をより良くするために話し合うことが多いんです。そういう意味でマーガレットケーキの開発を通じて意見交換をしながらものを作り上げていくことに慣れていたので、躊躇なく他の調理師さんとお話ができていますね。

青木さん:私も同じですね。チームワークの大切さをケーキの開発で学びました。


大迫先生:
みんなと一緒にこのケーキを作った中村朋美さんも、試行錯誤をしながら大人数でひとつのものを作り上げることの難しさを知る良い経験だったと言っていましたよ。こうやってみなさんのなかで開発の経験が生きていてとてもうれしいです。今後のマーガレットケーキの発展も見守ってくださいね。
「実際に販売を経験して感じたのは、健康に気をつかう人たちがたくさんいるということ。このケーキの栄養価を説明するとすごく熱心に聞いてくださるお客様が多かったです」(菊地位江さん)

「販売の仕事は大変だったけれど、お客様においしいと言われ買っていただいたときにはとてもうれしかったです。この達成感は経験しなければ得られなかったと思います」(川村ゆいなさん)

「商品を売ることの難しさ。商品知識をお客様の立場に立って考えてはじめて、購入していただけるんだなと感じました」(小雀綾香さん)

「商品を売るには、お客様に売る私が一番よく商品のことを理解する必要があると知りました」(秋元有砂さん)

「お客様の笑顔をたくさん見れたのが良かったです」(石坂志乃さん)